blog -ブログ:ランチが下手だった話-

2014.05.24

ランチが下手だった話

フリーランスってむしろランチが上手なはずじゃないか、おれのバカ。

またしても君は一体何を書いているんだね…といった風味のため息が流れてきそうなタイトルでごめんなさい、石井です。

先日、というか昨日、お客さんの会社に訪問して打ち合わせ後、ランチに誘ってもらった。いやぁ、嬉しいなぁと思いつつ、お客さんがいつも行くというお店に私も含め3人で向かう。

話を聞くとお客さん方はよく行かれるお店らしく、おすすめメニューも教えてもらったのでそれを注文した。

で、料理を待つ間の雑談。

「私、ランチを見つけるの下手なんですよね」

意図も意味も何も定かでないこんなセリフを言ったのは他の誰でもない私である。もちろんお客さん達ではない。常識ある社会人が口にするにはいささか異次元なセリフである。 別に話題に困っていたわけでもないのに、お客さん達をきょとんとさせてしまって、ああおまえやっちまったな、と頭の中のもう一人の自分に激しく呆れられた。もちろん、「またしても」やっちまったな、という意味も含まれている。

さて、説明させてもらうと、これはつまり、

「会社員であればランチを外で食べるかお弁当を食べる。ランチを外で食べる人は、店で食べるか、コンビニ等で買って食べるか選択する。店で食べることを選択した場合、その集客を狙っている店はランチメニューを用意する。ランチメニューは通常時のメニューより量・価格においてパフォーマンスが高い場合が多く、昼食は毎日のことであるので生活費やお小遣いを気にする会社員にはここでどのような選択をするかはことさら大きな問題であり、なぜなら500円ランチと1500円ランチなどという3倍も値段が違うメニューが同じランチメニューという括りで乱立しているのであって、ということは少しでも安く・早く・多く・そして圧倒的に美味い店を見つけることが昼休みの重要な課題である、会社員であれば」

という前提に立った際、

「私、会社員をしていた時も基本的にランチの店は一緒に行く人に任せてましたし、一人の時は、独身で小遣いは豊富であるため値段も気にせず、一度食べて美味しくない店にはもう行かない、程度の緩い基準で店を適当に選んでいたので昨日のランチも憶えてない始末。さらにフリーランスになってからは、外で誰かとランチを食べる、というかちゃんとランチメニューを食べる、という機会自体が著しく減ってしまったため、ランチが安くて美味しいお店について圧倒的に知識ゼロ・相場感ゼロ・提案力ゼロの3ゼロ。面目ない。誠に面目ない。3-0なんてサポーターに申し訳ない。恥ずかしい」

といった感情をギュッと圧縮したところの、

「私、ランチを見つけるの下手なんですよね」

だったのである。

 

伝わるわけない。

 

その後、ランチで1000円は高い方だとか、この辺りは思ったよりランチの相場は安い、的なまともな話になり、さらに話題は他に移り、お疲れさまでしたありがとうございました、と無事解散となった。とはいえ、私のどうしようもないミスキックに俊足のフォワードの選手がボールに追いついてくれたおかげで結果として敵の裏をかくスルーパスみたいになっただけの話である。そして午後、私はどうやったら「現代日本のまともな社会人のコミュニケーションの世界」に異次元から帰ってこれるのかを心の隅で考えながらプールを往復し続けたのであった。

そんなわけで、プールの帰りに書店に寄って「雑談力」みたいな本を物色。15分ほど立ち読みして、大した文章量でもなくかつこういった本は驚くほど巧みに要点がまとめられているのが常なので、内容は概ね把握できたわけだが、その結果、過去似たような内容の本を2冊ほど読んでいたのを思い出し、さらにその結果、その上で現状が異次元であるわけだから役に立たない公算が高いと思って購入をやめ、結局自分にとって安定のジャンルである「21世紀の世界はどうなるか!?」みたいな思想本を買って帰ったのであった。

 

そうだ ランチ、行こう。

 

もう少しがんばろうな、私よ。

 

 

2014年5月の最近あった良いこと――
好きな香りのボディソープを見つけた。ちなみに中年のにおいをとってくれる系のやつだ。

書いている人:アジナリスタ石井
東京都杉並区を拠点に活動しているフリーランスのWebデザイナー
特に知的・インテリ系のウェブデザインが得意。情報サイトの設計・制作が好き。
人類を代表して地球を防衛しているのと同じくらいのモチベーションで日夜、自身の体脂肪と戦っている。

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